ひねくれ者の駄文

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蓋がついている?

Structure and mechanism of a glutamate–GABA antiporter

細菌が胃のような酸性条件下で生き残る為には、細胞内からH+を排出していく必要がある。
その一つがグルタミン酸(C5H8NO4-)とGABA(C4H9NO2)を交換するGadCである。これにより1つプロトンがくみ出される。

・GadCは酸性条件下のみ働き、pH6.5以上では活性が低下する
・12本のTMドメインからなり、末端は細胞質側の出口に入り込むplugとなっている
・類似タンパクとの比較により、Gateドメインの剛体回転による輸送機構モデルを提唱

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動きが知りたい

Structural flexibility of the Gαs α-helical domain in the β2-adrenoceptor Gs complex

みんな大好きGPCR。 G protein-coupled receptor の略である。細胞膜を7回貫通する特徴的な構造をもっており、Gタンパク質と呼ばれるヘテロ三量体タンパク(Gα, Gβ, Gγ)を介してシグナル伝達を行なう。で、Gタンパクというのはグアニンヌクレオチド結合タンパク質の略称な訳で、GTPがくっついたり離れたりでスイッチが入ったり入らなかったりして、更に下流にシグナルを伝えていくわけである(適当

この論文では、GPCRのひとつであるところのβ2-adrenoceptorとGタンパク質複合体の構造電子顕微鏡で見て、その動きを解析してみよう、というところ。

・非常に多くの単粒子解析をした結果、Gαの一部分AHドメインがよく動いているらしいということがわかった
・AHドメインの動きをより良く見るためには、nanobody 37を使うと具合がいい(35はよくくっつくがAHを見るには役立たない)
・GDPとFoscarnetは三量体を安定化させる


お手本のような構成

Crystal structure of a bacterial homologue of the bile acid sodium symporter ASBT

apical sodium-dependent bile acid transporter (ASBT) 頂端側ナトリウム依存性胆汁酸輸送体結晶構造解析。
……頂端側ってなんや(そこか!

http://ja.wikipedia.org/wiki/頂端膜
体の内腔側ってことですか。ふむ。

というわけで、コレステロールは高すぎると色々と問題が発生するので、胆汁酸として排出するわけですが、それを再度腸から吸収しなおして、再利用してしまう膜タンパク質。栄養素を無駄なく使うという意味では、いいヤツのようですが、高コレステロールの人には迷惑な話であり、阻害剤が必要である、と。

・髄膜炎菌(Neisseria meningitidis )由来のASBT細菌ホモログの分解能2.2 Å
・基質であるタウロコール酸と2つのNaとの複合体
・配列相同性はないにもかかわらず、ナトリウム/プロトン交換輸送体NhaAと非常によく似ている


分解能を上げてさらなる議論を

Structure of the membrane domain of respiratory complex I

呼吸鎖複合体I、NADHデヒドロゲナーゼの構造解析。電子伝達系を構成するタンパク質の一つであり、NADHを一分子酸化させるごとに4個のプロトンを汲みだして、プロトンの勾配を作り上げる。全体構造が既に解かれていたが、今回の論文では、大腸菌由来の膜内ドメインを3.0 Å分解能で明らかにした。6つのサブユニット、55本の膜貫通ヘリックスというこれだけでもかなりの大きさである。

・NuoL、NuoM、NuoN、NuoA、NuoJおよびNuoKからなり、このうちL・M・Nは相同な構造を取る
・NuoLの膜に平行なヘリックスHL(cytoplasm)と各サブユニットが持つシートβH(periplasm)によって構造が支えられている
・合計4つのchannelが存在し、サブユニットのプロトンポンプの主要素として機能しているのは、カルボン酸残基でなくリジン残基である


傾き過ぎじゃね?

The crystal structure of GXGD membrane protease FlaK

膜に存在し、膜貫通基質を切断する活性を保つGXGDプロテアーゼ結晶構造。触媒活性に一対のアスパラギン残基を必要とする事が知られているが、その詳細は不明。
GXGDモチーフを持つfamilyは、細菌の病原性やアルツハイマー病との関連性があるとされている。

・6本のヘリックスが斜めに傾いて膜貫通部位を形成している
・GXGDのある短いヘリックスが中央にあり、その付近に解析された活性に関係する残基が集合している
・活性に必要な二つのアスパラギンは10Å以上離れており、活性化のためにコンフォメーションの変化が必要と考えられる



基質がはっきり見えたらうれしいな、って

そう、それは、小分子との複合体構造を見る人の見る夢……

Structure and mechanism of the uracil transporter UraA

核酸塩基/アスコルビン酸塩輸送体(NAT)タンパク質もしくは、核酸塩基/陽イオン共輸送体2(NCS2)タンパク質の代表的なタンパク質である、大腸菌( Escherichia coli )のウラシル/H + 共輸送体であるUraAのウラシルとの複合体の構造

・ファミリーの中では構造解析例があったが、解かれた構造は新規のフォールド。
・TM3とTM10のヘリックスが途中でほどけ、その部分がβシート構造をとっており、そこにウラシルが結合しているように見える。
・基質認識に関わっていると考えられる、ArgおよびHisに変異を入れると、取込み効率が著しく損なわれる。


ループの動きが肝要?

X-ray structure of a bacterial oligosaccharyltransferase

タンパク質のグリコシル化を司るオリゴ糖トランスフェラーゼ(OST)の構造のお話。
もっぱら真核での要素かと思っていたけど、バクテリアでもあるのね。……というわけで、今回解かれたのは、活性部位を持つパーツのバクテリアホモログ。

Campylobacter lariのPglB全長を、acceptor peptideとの複合体で構造決定。
・acceptor peptideの認識のため、ヘリックス9-10間のループEL5が構造をとり、トンネルを作っている。
・グリコシル化部位及び、その周辺の認識形式が明らかになり、その触媒機構についても新たな知見が得られた。


これでいけると思ったところが凄い

Crystal structure of the FimD usher bound to its cognate FimC?FimH substrate

バクテリア外膜において、線毛の形成に関わるタンパク質の複合体の構造。
ちなみに、線毛がないと、宿主細胞への接着や感染に支障が出るので、薬の開発に役立つかもしれないとかなんとか。大概の論文はそう書いてあるものだが。

FimDが穴&土台、Hが先端部、Cがパーツの運び屋。この他にも重合するパーツであるところのGとかFとかAがあって機能するものが出来上がるんですね(適当な画像探したけど落ちてなかった罠

では、要点。
・基質のFimH入りの時と、plugで埋めているだけの時では、FimDの構造に変化がある。
・Dの両方の末端ドメインは、輸送基質FimCH複合体を認識している。
・別に解かれたCG複合体とのドッキングモデルを作ると、連結用のFimG-N末端がP5 pocketにはまる。(重合していける状態の構造であるということ)

それは果たして自然なものか

Crystal structure of lactose permease in complex with an affinity inactivator yields unique insight into sugar recognition

Lactose permease of Escherichia coli (LacY)の何個か目の論文。
ちなみにpermeaseってのは、透過酵素の意。基質のついたり離れたりの輸送の話を、ミカエリス・メンテンで議論出来るからってことらしい。

で、今回のまとめ。
・Cysに結合する反応性を持ち、かつ、LacYの輸送基質となるMTS-galactosideを加えて結晶
・A122Cの変異体でやると、輸送の阻害状態が見えた
・これは今までに解かれた基質入りの構造よりも、より基質が細胞内側にあり、その状態での構造を表しているものと思われる


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