ひねくれ者の駄文

世のため人のためにならないことを全力で。
ひねくれ者の駄文 TOP  >  自然と科学と細胞とか

GPCRのレビューのレビュー

などという高尚さは微塵もなく、いつも以上に一行抜き出しの羅列であることをご了承いただきたい。


Molecular signatures of G-protein-coupled receptors
レビュー記事なのでいつでも読めるねやったね。
ま、個人的に備忘録的に抜き出しておくということで一つ。


G-protein-coupled receptor略してGPCR
七回の膜貫通ヘリックスで構成される受容体で、諸々の細胞外からの刺激をGTP結合タンパク質を介して細胞内へ伝える。
ヒトに800くらいあって、メインは4つのファミリーに区分。
その中で、立体構造が明らかになっているのがクラスAで、ここ最近で18件。
色々な解析からTM3(膜貫通ヘリックスの三本目)が重要な働きをしているっぽい。




スポンサーサイト

綺麗に入っているもんだ

Crystal structure of a bacterial homologue of glucose transporters GLUT1–4

輸送体GLUTのバクテリアホモログXylEの構造.
糖は生物が生きて行くには必須の物質ということで,その輸送も大変重要な意味をもつものであります,と.

・E.coli由来のXylE構造をD-xylose, D-glucose and 6-bromo-6-deoxy-D-glucoseの三つの複合体として決定
・認識に関わる残基に付いて,変異体解析もあわせて確認
・GLUT1へホモロジーモデリングを行ない,これまでLacY等からでは分からなかった細胞内側にあるヘリックスの構造をモデリングしてみせた

N末端のおまけ

N-Terminal T4 Lysozyme Fusion Facilitates Crystallization of a G Protein Coupled Receptor

GPCRのICL3(細胞内側ループ領域の三番目)にT4L(T4ファージリゾチーム)を入れるのは,よもや結晶化の定番となってきているわけですが,それをN末端に入れてみたよ,という話.

・T4Lとのつなぎ目の長さを変更することによって発現量が3〜5倍程度改善した
・構造中で,T4LはReceptor細胞外側および隣接分子のICL3と接触しており,パッキングに大きく関与
・ICL2はフリーの状態であり,自然なinactive stateを反映しているものと考えられる

構造変化をどうつなげるか

Alternating-access mechanism in conformationally asymmetric trimers of the betaine transporter BetP

Kイオン濃度で活性化し,浸透圧制御に働くらしいbetaineトランスポーター.foldはLeuT-like.

・三量体構造でそれぞれが違う状態をとっている
・betaineとcholineが結合した構造も決定
・輸送の各段階の構造を決定したことで,構造変化の流れのモデルが提唱された


蓋がついている?

Structure and mechanism of a glutamate–GABA antiporter

細菌が胃のような酸性条件下で生き残る為には、細胞内からH+を排出していく必要がある。
その一つがグルタミン酸(C5H8NO4-)とGABA(C4H9NO2)を交換するGadCである。これにより1つプロトンがくみ出される。

・GadCは酸性条件下のみ働き、pH6.5以上では活性が低下する
・12本のTMドメインからなり、末端は細胞質側の出口に入り込むplugとなっている
・類似タンパクとの比較により、Gateドメインの剛体回転による輸送機構モデルを提唱

偶然?必然?

http://www.nature.com/nature/journal/v482/n7386/full/nature10867.html
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature10753.html


ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)の構造解析.結合するGタンパク質の選択性からM1~M5のサブタイプに分かれる.Gタンパク質がくっつくので無論GPCRである.
因にアセチルコリン受容体にはムスカリン性とニコチン性というものがありまして,この二つは全く構造も機能も異なる.前者はベニテングダケの毒,後者はタバコの毒成分によってそれぞれ活性化されるためにそういう名前になったそうな.なんだか分かり難い名称と感じ続けているのは僕だけでしょうか…….
で,今回の話はそのmAChRのうち,M2とM3がほぼ同時期に出ましたよ,と.M2の方には3-quinuclidinyl-benzilateがついていて,M3の方にはTiotropiumがついている.

・M2とM3の全体構造はほぼ一致
・アンタゴニストの結合ポケットの構造もよく保存されているが,その入り口部分を構成するループ領域には差異が見られ,この部分により親和性や反応速度が異なってくると考えられる
・TM5-6,TM3-5の間の距離をプロットしてやると,同じGタンパク質と相互作用があるグループは似た距離を示す


重要なのは真ん中

Crystal structure of a membrane-embedded H+-translocating pyrophosphatase

プロトン輸送性ピロホスファターゼの結晶構造解析@2.35Å.
ピロリン酸は化学式 H4P2O7 で表される無機化合物で,二つのリン酸間の結合が高エネルギー結合であり,この加水分解時のエネルギーを利用して,液胞内外のプロトン勾配を確立するという膜輸送体
プロトン勾配の形成という,割と重要そうな働きの割に詳しいことはあまり分かっていなかったそうな.

・非加水分解アナログ,イミド2リン酸との複合体構造
・基質は細胞質側に,Mg2+を介して認識されている
・プロトンの輸送経路は内側の6本の膜貫通ヘリックスで構成され,荷電性残基が経路を作っている


見つけるところから構造まで

Identification and characterization of a bacterial hydrosulphide ion channel

HS-のチャネルの同定に始まり、機能・構造解析までやりましたっていう論文。
硫化水素イオンは嫌気性細菌の代謝産物で、細胞毒性を示すため、排出機構が必要である。というところから探されて出てきたのが、formate/nitrate transport (FNT) family に属しているやつでした、と。

・FNTを発現させた株は亜硫酸ビスマス寒天培地での生育が可能となった
・硫化水素イオン、ギ酸、亜硝酸などの一価の陰イオンを輸送する
・構造等の情報から、開口確率が低いことが示された



まるで見てきたみたい

Structural basis for iron piracy by pathogenic Neisseria

髄膜炎・敗血症・淋病などの原因菌であるナイセリア菌。こいつらがヒトの粘膜で生き残るためには、トランスフェリンから鉄原子を取ってくる必要がある。(トランスフェリンがかなり鉄を強固に捉えて遊離の鉄原子を不足させるため、そもそも存在自体に抗菌作用があるらしい)
というわけで、生き残りをかけた鉄の分捕り戦略の解明をして、ナイセリア菌をやっつける手を増やしとこうぜ、という研究。

・TbpA(トランスフェリン結合タンパク質A)-hTF(ヒトトランスフェリン)複合体結晶構造とTbpB(トランスフェリン結合タンパク質B・補助受容体)の結晶構造をそれぞれ決定
・TbpB-hTF複合体SAXSX線小角散乱)で、三者複合体を電子顕微鏡で構造を確認した
・TFのFe結合部位に入り込んだTbpAのL3 helix fingerが結合サイトの側鎖の配向を崩して取り出しやすくしている

そして、まるで見てきたかのようなムービー付きである。
http://youtu.be/aRILd0EAhP4

人生が輝き出す名言集


presented by 地球の名言+個人メモ
プロフィール

彼方

  • Author:彼方
  •  管理人紹介
    ・風来の結晶屋
    ・労働力、売るよ!

    知人に絡み辛いと言われつつ、為にならない文章を淡々と書き続けるのが目標である。
ブログ内検索
広告エリア