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ココロコネクト ユメランダム

庵田定夏 ファミ通文庫

 自分の中に何があるのか、進路調査票を前にして八重樫太一は不安を覚える。そんな中、<ふうせんかずら>の持ちかけたボーナスステージ「人の願望を幻視する」能力により、太一の欠けた精神は暴走する。

 物語の主人公が多かれ少なかれ有している「受動的な自己犠牲精神」を弱点として、徹底的にキャラクターを破壊する話なので、のめり込めばのめり込むほど心が痛む。「思想がない」「優しすぎて気持ち悪い」と看破される高校生がいるのだろうか(言う方も言う方でキメ過ぎだが)。
 落ちるところまで落ちても、支えてくれる仲間が友人たちがいてくれるからこそのラストの盛り上がりでもあるわけだが。

 さりげないが、実のところヒトランダムの最終段階でも見せていた青木のクールさがなんともいい男である。伊達に脳天気になろうとしてなっているわけではないわけだ。ここでのシリアスさと器の大きさの魅せ方のバランスが持ち味だわ。しかし、話が話しなら、普通に青木父の濡れ衣剥がしがメインテーマにならないでもない話の展開ではあるよなこれ。

 持論として、やはりいい女にはいい男がいてこそ話が盛り上がるというか、魅力がより引き出されると思っているので、いなばん萌えの俺としてはここで太一の奮起がなくては困るわけで、待ってましたなわけでもある。トラウマとかなくても、自分の中に見て決めるものがあるはず、と。きっかけは結局一日一日にあるんだろうなあ、みたいな。いい男になってデレばんをもっと引き出すのだ太一(ぉ

 人間不信を自称していたのが人を好きになりすぎて一人でいられなくなるのではないかと不安にまでなっている稲葉や、自分の恋の距離感を伝える桐山とか、こういう人との距離感の話ってもっとあってもいいと思うんだ。エヴァ以来、ハリネズミジレンマに囚われすぎていた感ある(俺だけか)。

 ついでに言えば、物語の最後を迎える前に、誰かのための主人公から稲葉姫子ただ一人のためのヒーローへと進化させるのはメタ・フィクション的な感触もあって、言い方があっているかは微妙だが、キョンがとるべき道の一つだったのではないかという気がして、終わらなかった00年代を引き継いで集結させてくれた感じはあったりする。
 まあ、このメタ的感触ってこの話の根底に流れてきた気がするので、最後の最後の落とし所までわからないけど。



『自分』がないから、決定できない。『自分』がないから、意見が曖昧。そして『自分』がないから、色んなことに怒らない。悪い意味で寛容。それはある種の無関心だ。


 怒ったり、悲しんだり、憎んだり、そこら辺から自分自身をスタートさせたんじゃねえかなあ、というのが俺の生きてみた感想。なんか歪んでいる気がするが、まあ、そういうものもあるってことで一つ。

 「その君の勘から発した、君の怒りといらだちは、理由になる」ってカミーユも言ってた(強引なガンダムネタ締め
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[ 2013/02/06 11:45 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)
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