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今こそアーレントを読み直す

仲正昌樹 講談社現代新書

 ドイツ出身の政治哲学者ハンナ・アーレント(1906−1975)の思想・文脈を筆者なりの再構成によって解説する本.前半は概ねアーレントの全体主義批判の中身の解説.後半はアーレントの考える人間性とは,みたいなところの解説.哲学者の言うことはだいたい突き詰めていく程にわけが分からなくなって来るのだが,それでもなんとかややこしくならない程度の新書っぽくまとめてあるので,入門書として手に取る身としては有り難かった.




 まあ,ぶっちゃけ富野が数年前にハマって言及していた時点で読もう読もうと言いつつ,気がついたらGレコ終わってしまったので,今更ながら触れておこうと思ったのです.ガノタなので.

 全体主義が危険である,というのはある意味誰にでも言える話で,その本質を探るのが哲学者の仕事という感じはするわけで,アーレントの怖いけど,重要な指摘であろう.

 一応,主張のキモというところをまとめると,
・ユダヤ人の虐殺を指揮した人間の実体は,実に平凡な官僚であった.そのような平凡な人が思考停止し,悪を為すのが全体主義の危険性である.
・人間を思考停止させ,多面性を失わせるような仕組みこそ危険である.
・人間は生まれながらには善ではなく,教養や政治的な活動を通じて多元的な視点を手に入れることで成熟した人間となれる.
・多面的視点を得る為には,時に客観的に物事から距離を置いた視点から考えることも重要である.

 そしてもう一つ重要と思ったのが,一政治哲学者として,分りやすい正解を示さないことを心がけている(ように見える)ところ.

 正しそうな解を提示して民衆を導く,というのは受けは良さそうだが,それでは一人の思考に全体を染めることであって,それでは全体主義に接近してしまうということなのだろうと思う.そして,この姿勢こそがGレコを制作する富野由悠季の波長に一致して一時期傾倒していたと言えるんじゃ無いかなあ,という.やはりガノタはちゃんと監督おすすめの本には目を通さないとダメだな!(まだ著作読んでねえじゃん
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[ 2015/09/01 00:01 ] 書籍 | TB(0) | CM(0)
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